不動産会社によって紹介してくれる物件が違うのはどうしてですか？

契約をしてもらう物件によって不動産会社の売上金額が違うからです。

え？どういう事？
どうして契約をする物件によって売上の金額が変わるの？
普通の方はそう思いますよね。
だって不動産会社の売上といえば「仲介手数料」だから借主が選ぶ物件によって売上が変わるなんてことがあるの？家賃が高い方が手数料も家賃分高くなるから家賃が高い物件を紹介するってこと？

そう感じる方が一般的です。
しかし実際にはお客様（借主）が契約する物件によって不動産会社の売上は大きく変わってきます。

なので不動産会社、担当する営業マンによって、紹介をしてくれる物件が違うのです。少しでも売上を上げるために紹介、オススメする物件を変えているのです。

契約をする物件によって売上が違うとはどういう事？

不動産会社は契約が成立（借主が部屋を借りてくれた）時には報酬が発生します。
借主からは「仲介手数料」を家賃の0.5ヶ月〜1ヶ月分を報酬として受け取ります。これは一般的な事なので皆様もご存知かと思います。

しかし不動産会社が契約成立時に貸主からも「広告料」という名目で報酬を受け取っている事は知っていますか？
実は不動産会社は契約成立時に借主からは仲介手数料を、貸主からは広告料という報酬を受け取っているのです。

なので家賃6万円の物件をお客様が契約したくれた場合だと、以下のようになります。

仲介手数料（借主）：64,800円（税込）
広告料（貸主）：60,000円（税込）
合計：124,800円

合計124,800円という金額が6万円の賃貸物件を契約した場合の不動産会社としての売上金額となります。

「広告料」という報酬は家賃の1ヶ月分を貸主が不動産会社へ支払う事が一般的です。
しかし、物件によってこの広告料の金額が違うのです。

不動産会社は広告料をいくらもらっているの？

不動産会社が貸主からもらえる広告料は一般的には家賃の1ヶ月分です。
しかしこの「広告料」は物件によって金額が異なります。一般的には1ヶ月分と言いましたが、たくさん支払ってくれる物件の場合だと家賃の3ヶ月分なんていう時もあります。
反対に広告料は契約時に1円たりとも払いません！広告料は0円という物件もあります。

そうなってくると不動産会社としては「広告料が高い物件」をお客さんに契約して欲しいわけです。

A物件＝広告料3ヶ月分
B物件＝広告料ナシ

この場合だと不動産会社としてB物件は紹介したくないのです。
どんなにお客様の条件にぴったりの物件だとしてもB物件を契約されてしまっては契約はしてもらえるけど売上金額が低いから嫌なんです。

だとすればA物件だけを紹介してB物件は紹介しません。またはB物件を紹介しても実は変な入居者がたくさん住んでいる物件だから辞めた方が良いと言ってオススメをしない。
なんとかA物件で契約をしてもらえるように「営業」をするわけです。

広告料の金額は一般のお客様にわかりません。不動産業者しか分からない情報です。
なので不動産会社は物件を紹介する時には広告料の金額がいくらなのかという事を事前に確認してお客様へ紹介する物件をかなり吟味しています。

こういった裏事情があるので不動産会社、又は、担当する営業マンによって紹介してくれる物件が違うのです。

広告料が低い物件ほど良い物件が多い

そして不動産会社とお客様の利益は相反するのですが、広告料が低い物件ほど、条件が良い人気の物件である事が多いです。
反対に広告料が高ければ高いほど、あまり人気のない、条件が悪い物件になることもあります。
（全てがそうではないのですが、一般的にはその傾向にあります）

なぜかというと貸主は早く不動産会社に自分の物件をお客さんに頑張って紹介をしてもらい入居者を決めたいと考えています。
物件自体の持つ魅力が高い人気物件だと不動産会社に対して広告料をたくさん払わなくても入居者はすぐに決まります。
だから一般的な金額の家賃1ヶ月分程度を支払えば問題ないのですが。
また広告料を0円にしても物件がよければ入居者がすぐに決まります。

しかし条件が悪い、人気のない物件の貸主は不動産会社に頑張って紹介してもらい、自分の物件に早く入居者をつけてもらわなければいけない。
不動産会社に早く、頑張って紹介をしてもらう為には広告料を多く支払わなければならないのです。

不動産会社とお客様の利益は相反すると言いましたが、そういうことです。不動産会社は少しでも広告料の高い物件を契約したい、でもお客様は広告料が安く設定されているような条件の良い人気の物件を借りたいわけです。

だからこそ賃貸の不動産を契約する時には良心的で本当に借主の事を思って、考えてくれる人から借りなければ損をしてしまいます。