賃貸物件の『消毒料』は本当に必要？｜不動産業界の裏側の話

賃貸物件を契約する時、見積書の中に「消毒料」という見知らぬ項目を見たことはありませんか？
また物件の紹介時や案内中に「引越し前に消毒施工をした方が良いですよ」と言われた事は無いですか？

不動産の契約時にはこのような付帯商品と言われるサービスに加入することを強く進められる場合があります。

本当にそんな費用がいるのかな？無くしてもらえるお金なら無くして欲しい。。。そもそも何をする費用なの？

そう感じている方も多いのではないでしょうか。
今回は「＃けんいち不動産」を経営している不動産屋のボクが「消毒料」について不動産業界の裏側の話も交えつつ、本当のことをお伝えします。

そもそも「消毒料」ってなに？

消毒料とは、入居をする前に消毒液を使用して、室内を消毒施工する為の費用です。
費用は2万円前後となります。

不動産会社が、消毒を行う外部の業者に依頼をするケースが多いです。
消毒作業をする業者が入居前の物件に行き、機械を使用して室内・水回りに消毒液を吹き付けます。

不動産会社が借主に伝える消毒を行う事のメリットは、室内が除菌され、防虫効果があり、匂いも付きにくくなるという事です。

それだけを聞くと施工してもらうメリットがありそうなんですが、実際はどうかというと。。。

「消毒料」は不要なお金

ズバリ結論を言います！消毒料は不要なお金です！
外してもらえるのであれば初期費用から外してもらいましょう。

不動産会社が「消毒料」を借主にオススメする理由は一つだけです。
それは「儲ける」ため。
なので借主にとっては不要なお金です。

借主から2万円の消毒料をもらった場合だと消毒の施工業者に1万円、不動産会社に1万円が利益として入ると言った感じで、不動産会社が利益を上げる為の商品なのです。

消毒作業は効果があるの？

僕も昔「＃けんいち不動産」を始める前に会社員として不動産の営業をしている時がありました。
その時に実際の消毒施工はどんなことをしているのか、自分の目でみて確認しよう！と思い消毒の施工業者の人に同行をしたことがあります。
そこで見た光景はなかなかの衝撃でした。
機械で消毒液を散布する。といってもすごく小型の機械でファブリーズのような少しだけ良い匂いのする液体を数回スプレーするだけで完了です。

1Kマンションだとものの数分で作業は完了します。
え？これで終わり？ウソでしょ？という感じで見ていました。

そして消毒施工をする業者の方に聞いて見ました。
「今のは何か効果ありますか？」と。
（会社によく出入りしている業者さんだったので顔見知りで仲が良い人でした）
そうしたら業者の方が「こんなもんなんの意味もねえよ（笑）気持ちの問題だな（笑）」と。。。
そして最後に玄関に「消毒施工完了」といった感じの紙を置いて完了です。

これでお客様から数万円もの大切なお金を頂いているのかと思うと、なんだか悲しい気持ちになりました。

不動産屋に相談して「消毒料」を外す交渉はした方が良い

お部屋を探す時には不動産会社の担当がつくと思います。
そしてもしも見積書や決済金の説明をされた時に「消毒料」が入っていたら無くしてもらえるように相談をしみてください。

営業マンの売上なので簡単には外してくれない場合もあります。
また消毒料を契約から外すと担当者は上司や会社から怒られる場合も多いです。
それでも借主にとっては不要なお金であることは間違いないので、ぜひ勇気を持って「外して欲しい」と相談してみて下さい。

「消毒料」を外せない物件も存在する

基本的に消毒料は不動産仲介会社の利益を上げるために貸主とは関係のないところで請求をされているケースが非常に多いです。

しかし最近では貸主（管理会社）が消毒料を取得すれば利益になる！ということで契約する場合は必須だとしているケースも出てきました。
この場合だと不動産仲介の会社も自社で消毒料を請求することはできません。また貸主（管理会社）に外して欲しいと相談しても外してくれないことも多いです。

消毒料を不動産仲介会社が設定している場合は外す交渉ができるが、貸主（管理会社）が設定している場合は貸主の利益なので外す事は難しい（ほぼ出来ない）と考えていただく方が良いです。

不動産仲介会社が売上欲しさに嘘をついて、これは貸主指定の消毒料なので外せません。というケースもあるので、一般の借主は気に入った物件に消毒料があった場合に、仲介会社指定なのか、貸主指定なのかを判断する事は難しい面もあるのですが。。。
そこは信用できる不動産会社の担当者に部屋探しを任せるという方法でしか解決は出来ません。